在宅勤務介護日記_背中を押す一言
介護の必要な家族を入院先から施設に入れることにした知人から「なんだか自分が楽することばかり考えているようで苦しい。施設に入れることは間違っていないと誰かに背中を押してほしい」と打ち明けられました。
その方は、一度はご家族の退院後自宅で介護することも考えられたのですが、入院中のご家族の状態や主治医やソーシャルワーカーのアドバイス、自分の力の限界等を考え併せて、施設に入ってもらうことに変更したとのこと。ご親族のみなさんは知人の良いようにしたらいいと言ってくださっているのですが、入院中のご家族が「家に帰りたい」という意思表示されていることもあり、上述のような悩みを感じておられます。
家族を施設に入れる決定を軽々しくする人はいないはずです。何度も自問自答して決定します。それでも「家で世話されたいに違いない」「家族が世話をするのが本来の姿なのでは」「世話をしないわたしは冷たい人間なのだろうか」と考えてしまう。介護者の心は揺れ動きます。
かつては介護は家族の中で行うものと考えられていたようですが、それは親子二世代三世代が同居していたころのことです。ですが高齢者が増え核家族化が進むことで、家族内だけで介護を行うことが大変難しくなってきました。介護保険制度を作る背景には、既存の老人福祉制度や老人医療制度では対応が難しくなっていくと考えられるようになったことがあります。高齢化が進むことによって、要介護者が増えたり、介護をしなければいけない期間が長期化したりすることが想定されましたので、社会全体で介護を支えるために介護保険制度が始まりました。それが2000年のことです。
ですから、家族人数が少ない、社会が高齢化している今では、要介護状態になれば介護保険を使用して施設への入居などを含む介護サービスを利用するのは当然のことです。罪悪感を持つ必要はありません。
これが介護を必要とする家族を施設に入所させると決心したみなさんの背中を押す一言になりますように。
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